
子どもが大好きなお菓子。「むし歯が心配だから、あまり食べさせない方がいいのかな…」と悩む親御さんも多いのではないでしょうか。
実は、おやつの内容や食べ方を工夫するだけで、むし歯のリスクを減らすことはできます。この記事では、むし歯になりやすいお菓子の特徴や具体例、反対に比較的リスクが低いおやつの選び方を解説します。
目次
■子どもの歯がむし歯になりやすい理由
◎乳歯はむし歯の進行が早い
子どもの乳歯は大人の永久歯に比べて、歯の表面を覆うエナメル質や、その内部の象牙質が薄く、むし歯の原因となる「酸」に溶けやすい構造です。
そのため、むし歯になると短期間で神経まで進行しやすく、早期の対応が重要になります。
小さなむし歯でも油断せず、こまめなチェックが大切です。
◎自分でしっかり磨けない時期が続く
子どもは手先の動きが未熟で、歯ブラシを細かく動かして汚れを落とすことがまだ難しい時期が続きます。特に奥歯の溝や歯と歯の間は磨き残しが多く、むし歯の原因菌がたまりやすい環境になりがちです。この磨き残しを補ってあげるために、仕上げ磨きが必要です。
◎間食や甘い飲み物の頻度が多くなりやすい
子どもは活動量が多く、お腹が空きやすいため、間食やジュースを口にする機会が自然と増えていきます。糖分を含む飲食物をだらだらと摂る習慣は、口の中が酸性の状態になりやすく、むし歯リスクが高まる原因になります。
【⚠️泣き止ませるための糖分に注意!】
糖分を一度に大量に摂取したり、泣き止ませるためなどに与えたりすると、血糖値が急激に乱高下し、かえって精神的に不安定な状態を引き起こしやすくなることがあります。
一時的に泣き止んでも、その後また機嫌が悪くなるという負の循環を生むこともあるため、甘いお菓子の与え方やタイミングにも注意が必要です。
■むし歯になりやすいお菓子の特徴とは
お菓子の種類によって、むし歯のリスクには差があります。注意が必要なのは、以下のような性質をもつものです。
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砂糖を多く含んでいる
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粘着性が高く、歯にくっつきやすい
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口の中に長く残るもの(なめ続ける・ちびちび食べる)
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酸性度が高い(炭酸飲料・スポーツドリンクなど)
このようなお菓子は、口の中に糖がとどまる時間が長くなり、むし歯の原因菌が酸を作り出しやすい環境になります。
■むし歯になりやすいお菓子の具体例
代表的なお菓子を、むし歯リスクが高い順にご紹介します。
◎グミ・キャラメル・ソフトキャンディ
粘着力が強く、奥歯の溝や歯の間にくっつきやすいタイプです。
◎チョコレート・クッキー・ビスケット
糖分に加え、油分や粉類も多いため、細かい部分に残りやすいのが特徴です。
◎飴・キャンディー・ガム
なめている時間が長く、口の中が酸性状態になりやすくなります。
◎菓子パン
甘さに加えて粘着性や炭水化物が多く、口の中にとどまる時間が長くなりがちです。
◎炭酸飲料・ジュース・スポーツドリンク
糖分だけでなく酸も含まれているため、歯が溶けやすい環境をつくってしまいます。
しかし、こうしたお菓子を完全にやめる必要はありません。「食べる時間を決める」「だらだら食べ続けない」など、ちょっとした工夫でむし歯のリスクを減らすことができます。
■むし歯になりにくいおやつの選び方
むし歯になりにくいおやつを選ぶときは、「砂糖が少ない」「よく噛む」「口の中に長く残りにくい」この3つを意識すると判断しやすくなります。
たとえば以下のようなおやつは、比較的むし歯リスクが低めです。
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チーズ・ナッツ・ゆで卵など砂糖を含まない食品
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おにぎり・さつまいも・サンドイッチなど軽食系
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季節の果物
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せんべい・クラッカー・スティック野菜など、水やお茶と一緒に食べやすいもの
こうした「ベースになるおやつ」を普段用にしておくと、甘いお菓子を完全に禁止しなくても、自然とバランスが取れていきます。
イベントや特別な日にはグミやチョコを楽しむなど、メリハリをつけてあげると子どもも前向きになりやすいです。
また、食べたあとは歯みがきやうがい、キシリトールタブレットなどを習慣にすると、むし歯予防の効果もより期待できます。
■子どものむし歯対策は、甘いお菓子と上手に付き合うのが大切
子どもにとっておやつは「楽しみ」であり、「栄養の補助」としても大切な役割を果たします。むし歯予防の第一歩は、食べ物の性質や食べ方を知り、日々の生活に取り入れることです。
親御さんのちょっとした意識で、むし歯になりにくいお口の環境をつくっていけます。
当院では、定期的なフッ素塗布や歯みがき指導、食生活に関するご相談もお受けしています。お子さんのお口をむし歯から守るために、気になることがあればお気軽にご相談ください。

