〒010-1623 秋田市新屋町字田尻沢131-8

子どもの外遊び、実は大切! お口への効果やメリットを解説|あらやクレール歯科クリニック|秋田市新屋町の歯医者

トピックス TOPICS

子どもの外遊び、実は大切! お口への効果やメリットを解説


最近は知育や室内遊びが充実し、子どもが外で遊ぶ時間が減ってきたと感じる方も多いのではないでしょうか。もちろん室内遊びにも良さはありますが、外遊びには体力や心の発達だけでなく、お口の成長にも良い影響があるといわれています。


今回は、外遊びがもたらすメリットと、姿勢・呼吸・噛む力といった口腔機能との関係をまとめました。


■子どもの外遊びが見直されている理由


近年、子どもたちの運動量は全体的に減少していると指摘されています。共働き家庭の増加で遊ぶ時間が夕方までに限られたり、スマホ・ゲーム・動画視聴の時間が長くなったりと、生活環境が大きく変化していることが背景にあります。


文部科学省が実施した全国調査では、幼児の4割以上が「1日60分未満」しか外遊びや運動の時間を確保できていないことが報告されています。こうした外遊び時間の減少は、体力や運動習慣の低下につながる可能性があるとされています。


外遊びに含まれる、走る・跳ぶ・登るなどの動作は、全身の筋肉やバランス機能を自然に働かせる活動です。そのため、外での身体活動が少ない状況が続くと、体幹や姿勢の発達に影響が及ぼす可能性があると考えられています。


※文部科学省 「幼児期運動指針」 ガイドブック


■外遊びで得られる6つのメリット


外遊びは全身を使うだけでなく、子どもの発達にさまざまな良い影響があります。


1. 姿勢を支える体幹が鍛えられる

鉄棒や登り棒、鬼ごっこなどの全身運動を通じて、腹筋・背筋・足腰といった体幹が育ちます。体幹が整うと、椅子に座る姿勢が崩れにくくなり、学習にも集中しやすくなります。


2. 集中力・持久力がつく

外でたくさん動くことで、疲れにくい体が育ちます。呼吸が深くなるため酸素の巡りも良くなり、「落ち着きがない」「座っていられない」といった傾向の緩和にも役立つ可能性があります。


3. 社会性・自己肯定感が育つ

順番を守る・ルールを理解する・友だちと関わるといった遊びの中のやりとりが、協調性や思いやりの心を育てます。「できた!」「楽しかった!」という経験は、自己肯定感の土台にもなります。


4. 五感がフルに刺激される

風の音、地面の感触、外の匂いなど、屋外には五感を刺激する要素がたくさんあります。これは、脳の発達や創造力にも良い影響を与えるとされています。


5. 姿勢と呼吸が整い、お口が閉じやすくなる

外遊びで鍛えられた体幹は、猫背や前かがみ姿勢を防ぎ、自然な呼吸と正しい舌の位置を保ちやすくします。口呼吸から鼻呼吸に変わるきっかけにもつながります。


6. 食べる・飲み込む・話すといった「お口の機能」が安定

姿勢と呼吸が整うと、舌や唇、顎の動きも安定しやすくなります。その結果、噛む力や飲み込む力、発音のしやすさにも良い影響が期待されます。


■姿勢と「お口の機能」の関係


こうしたメリットのなかでも、「姿勢の安定」と「お口まわりの発達」には密接な関係があるといわれています。

ここからは、姿勢とお口の機能がどう結びついているのか、もう少し詳しく見ていきましょう。


◎姿勢が崩れると呼吸が浅くなり、口が開きやすくなる

猫背や前かがみの姿勢になると、頭が前に突き出ることで気道が狭くなり、呼吸が浅くなりがちです。呼吸がしづらくなると口呼吸になりやすく、口がポカンと開いたままになることもあります。


◎口腔機能発達不全症の一因になるケースも

こうした姿勢や呼吸のクセが続いた結果、「うまく噛めない」「話しにくい」「飲み込みづらい」といった症状があらわれることがあり、これが「口腔機能発達不全症」と診断されるケースにつながることもあります。


口腔機能発達不全症とは、噛む・飲む・話すといったお口の働きが年齢に応じて発達していない状態を指します。見た目ではわかりにくいこともあるため、注意が必要です。


◎外遊びが自然な「姿勢づくり」と口の成長をサポート

外で思いきり走ったり、よじ登ったりする中で、全身の筋肉が働き、体幹が育っていきます。体幹が安定すると、背筋が伸び、呼吸が深くなりやすくなります。


この状態は、口を自然に閉じる姿勢や、舌や顎の正しい動きをサポートしてくれます。

「口が開きがち」「うまく噛めていない気がする」といったサインが見られる場合も、外遊びを少し増やすことで良い変化につながる可能性が広がります。


無理なく取り入れられる範囲で、遊びの質を見直していくことが、健やかなお口の発達にもつながります。


■外遊びによる姿勢改善の効果とは?


ここでは「なぜ外遊びが姿勢の改善につながるのか」を具体的に解説します。


◎外遊びの動きが体幹を鍛える

外遊びでは、走る・跳ぶ・よじ登る・ぶら下がるなど、全身を使ったダイナミックな動きが自然に増えます。こうした動作は、腹筋や背筋、股関節まわりなど、姿勢を支える筋肉=体幹をまんべんなく刺激します。


体幹がしっかりしてくると、イスに座ったときの姿勢も安定しやすくなり、長時間の学習や食事中も背中が丸まりにくくなります。


◎呼吸が深くなり、集中力も続きやすくなる

体幹が安定すると胸郭が広がり、呼吸も深くなります。呼吸が浅いと疲れやすく、集中力が続かなくなることもありますが、深い呼吸ができると体に酸素が行き渡り、気持ちも落ち着きやすくなります。結果として、学習や遊びに対する集中力も育ちやすくなります。


◎遊びながら「正しい姿勢」が身につく

平均台、鉄棒、ターザンロープなどの遊具を使った遊びは、自然と重心を意識したりバランスを取ったりする動きにつながります。こうした動きの繰り返しで姿勢保持力が身につきやすく、家や園での座る姿勢も安定しやすくなります。


■1日の外遊び時間のイメージ


文部科学省は「1日60分程度の身体活動」を推奨しています。ただし、毎日きっちり1時間でなくても問題ありません。園での活動や帰宅後の公園遊びを合わせて、トータルで1〜2時間ほど体を動かせる日があると理想的です。


※文部科学省「幼児期運動指針


【外遊びを取り入れる工夫】


  • 通園・通学のときに少し遠回りして歩く

  • 車移動が多い場合は途中で降りて短い距離だけ歩かせる

  • 買い物の前後に公園に寄って15分だけ遊ぶ


短い時間でも積み重ねることで、1日の身体活動量を確保しやすくなります。


■外遊びは「からだ」「こころ」「お口」を育てる大切な時間


外遊びには、体力や運動能力を高めるだけでなく、姿勢や呼吸を整え、お口の機能を育てる効果も期待できます。走る・跳ぶ・登るといった全身を使った動きが、体幹を育て、噛む力や口を閉じる力の土台にもつながっていきます。


また、自然の中で思いきり体を動かすことで、五感が刺激され、社会性や自己肯定感といった心の成長にも良い影響が生まれます。まさに、からだ・こころ・お口の発達を支える総合的な時間といえるでしょう。


お子さんのお口まわりのご相談や、「うまく噛めていない気がする」「口が開きがちかも」といった気になる症状がありましたら、お気軽に当院までご相談ください。


あらやクレール歯科クリニック
歯科医師
⇒院長の経歴はこちら