〒010-1623 秋田市新屋町字田尻沢131-8

むし歯になりやすい奥歯に! 子どもの歯を守る「シーラント」とは?|あらやクレール歯科クリニック|秋田市新屋町の歯医者

トピックス TOPICS

むし歯になりやすい奥歯に! 子どもの歯を守る「シーラント」とは?


お子さんの歯のむし歯予防といえば「フッ素」がよく知られていますが、実はもうひとつ、奥歯のむし歯を防ぐ予防処置があるのをご存じでしょうか?


それが「シーラント」と呼ばれる方法です。

この記事では、シーラントの仕組みや効果、いつから受けられるのかなど、親御さんが気になるポイントを解説します。


■シーラントとは?奥歯の溝をふさいでむし歯予防


シーラントとは、奥歯の噛む面にある細かい溝を、樹脂などでコーティングしてむし歯を予防する方法です。

正式には「小窩裂溝填塞(しょうかれっこうてんそく)」といい、日本小児歯科学会でも推奨されている処置のひとつです。


奥歯の溝は、複雑な形をしていて歯ブラシの毛先が届きにくいため、食べかすや歯垢(プラーク)がたまりやすく、むし歯になりやすい部位です。


そこで、この溝をあらかじめシーラント材(レジンやセメント)でふさぐことで、汚れの付着未然に防ぎ、むし歯のリスクを下げるという仕組みです。

処置は短時間で終わり、歯を削る必要もないため、お子さんへの負担も比較的少ないとされています。


■何歳から受けられる? シーラントの時期と対象の歯


日本小児歯科学会のガイドラインでは、2歳以上16歳未満のお子さんを対象に、シーラントの処置が推奨されています。


一方で、すべての子どもに必ず行うものではありません。

歯の状態やむし歯リスク、お子さんの年齢や生活習慣などを見ながら、歯科医師が必要性を判断します。


◎乳歯の奥歯(乳臼歯):3〜6歳頃が目安

 むし歯リスクが高いお子さんや、溝が深い歯に向いています。


◎第一大臼歯(6歳臼歯):6〜7歳頃、生えてきたタイミングでの処置が推奨されます

この歯は一生使う大切な歯で、むし歯になりやすい時期と重なります。

特に注意が必要です。


◎第二大臼歯:12歳前後が目安

奥歯の溝にまだむし歯ができていないことがシーラントの前提条件です。


■シーラントの効果は?持続期間はどれくらい?


シーラントは、むし歯の発生を抑える方法として一定の効果が報告されています。

ある研究では、4年以上の経過で約60%のむし歯予防効果があったというデータもあります。※


ただし、「一度つければ安心」というわけではありません。

経年によって欠けたり、取れてしまったりすることがあるため、定期的な検診でチェックすることが大切です。


また、歯と歯の間など、シーラントが届かない部位もむし歯になる可能性があるため、日々の歯みがきやフッ素ケアも重要です。


※厚生労働省「シーラント(予防法)


■シーラントの材料や処置の流れについて


◎使用される主な材料

シーラントで使われる材料には、以下の2種類があります。


  • レジン系シーラント:しっかり定着しやすく、長持ちが期待されるタイプ

  • グラスアイオノマー系シーラント:やや柔らかい素材で、フッ素を少しずつ放出する性質がある


どちらを使うかは、歯の状態や年齢、お子さんの協力度などによって歯科医が選択します。


◎シーラント処置の流れ

シーラントは比較的短時間で行える処置で、通常は以下のような手順で進められます。


  1. 奥歯の溝の汚れをきれいに取り除く

  2. 歯の表面を乾燥・処理

  3. シーラント材を溝に流し込む

  4. 専用の光を当てて硬化させる

  5. 噛み合わせの調整と確認


歯を削ることはなく、麻酔も基本的に不要です。1本あたり数分程度で終わるため、小さなお子さんでも比較的受けやすい処置といえます。


■シーラントに関するよくある質問


◎Q.シーラントとフッ素の違いは何ですか?

目的と作用が異なります。


  • シーラント:奥歯の深い溝を物理的にふさぐことで、汚れや細菌が入り込むのを防ぎます。

  • フッ素塗布:歯の表面にフッ素を塗って、歯質を強くし再石灰化を促す方法です。


それぞれ単独でも予防効果がありますが、併用することで相乗的なむし歯予防効果が期待できます。


◎Q.シーラントは保険適用になりますか?

条件を満たせば、保険適用となるケースがあります。乳歯や永久歯の奥歯に対して、生えたてや初期のむし歯(C0〜C1程度)がある場合、「初期う蝕早期充填処置」として1歯あたり1回限り保険算定が可能です。


ただし、完全に健康な歯に対する予防目的のシーラントは、保険適用外(自費)になる場合があります。詳細は、歯科医院での診察時にご確認ください。


◎Q.シーラントのデメリットはありますか?

大きな副作用は報告されていませんが、注意点があります。


  • 剥がれやすさ:経年劣化や噛む力で部分的に剥がれることがあるため、定期的なチェックがおすすめです。

  • 適応の見極めが必要:すべての歯に適しているわけではなく、歯の形や生え方、むし歯リスクを見て判断します。

  • フッ素の代わりにはならない:フッ素塗布との併用が望ましいとされています。


これらをふまえて、定期管理を前提とした予防処置と捉えるのがよいでしょう。


■シーラントは「むし歯予防」の選択肢のひとつです


シーラントは、歯みがきだけでは落としきれない汚れがたまりやすい「奥歯の溝」をふさぎ、むし歯を予防するための処置です。


  • 対象は2歳以上〜中学生くらいまでのお子さん

  • 施術は短時間で、歯を削る必要がないことも多い

  • 定期的なチェックと補修が大切


あらやクレール歯科クリニックでは、お子さんの歯の生え方やむし歯リスクを確認しながら、適切なタイミングと方法をご提案します。シーラントが気になるかたは、お気軽にご相談ください。


あらやクレール歯科クリニック
歯科医師
⇒院長の経歴はこちら